大学院生の高野らの研究がExperimental Brain Researchに採択されました
大学院生の高野らの研究「Transcutaneous spinal cord stimulation phase-dependently modulates spinal reciprocal inhibition induced by pedaling in healthy individuals」がExperimental Brain Researchに掲載されました。
脳卒中片麻痺患者の歩行再建には、協調的な筋活動が重要であり、これには脊髄相反性抑制(RI) が関与すると言われています。 ペダリング運動(エルゴメーター)はRIを改善できる一方、 神経活動が低下している脳卒中患者における効果は限定的です。 他方、経皮的脊髄電気刺激(tSCS)は、腰部に電極を貼付し脊髄神経を賦活する方法であり、 その有効性が期待されています。
本研究では、健常者を対象に、ペダリング運動とtSCSの併用介入がRIに与える影響と、 tSCSを併用すべきペダリング周期について検証しました。 結果として、ペダリング運動単独と、ペダリング運動の屈曲相(脚を引き上げる周期) でのみtSCSを適応した条件ではRIの増強を認めた一方、 ペダリング運動の伸展相(脚を伸ばす周期)でのみtSCSを適応した条件ではその効果を認めませんでした。
この結果から、併用介入によるRI増強効果は限定的であるものの、 tSCSはRI変化を周期依存的に調節できることを示しました。 今後の研究としては、ペダリング運動の効果を増強できるtSCSのパラメータなどの方法の 再検討が必要であると考えています。
論文リンク:https://link.springer.com/article/10.1007/s00221-024-06926-4